特集 評価をとらえ直す—日常活動のモヤモヤから抜け出すために
保健婦活動の評価の可能性と困難さ
平野 かよ子
1
1厚生省健康政策局計画課保健指導室
pp.349-353
発行日 1994年5月10日
Published Date 1994/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662900921
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
これからの高齢化社会において,老人のケアは生活の場におけるものが中心となり,地域ケアを担うさまざまな職種も生まれ,また脚光を浴びてきている。また日本では,看護・介護の第一の担い手は家族であるが,これまで在宅の老人や家族のケアを公的に担ってきたのは保健婦である。ゴールドプランが達成される平成11年までに,さらにおよそ1万人の保健婦が増員され,これらのケアの担い手になろうとしている。
また,今年度から市町村の保健婦の人件費も地方交付税という自治省から地方に再配分される税金で賄われることになり,保健婦をはじめ地方財政の関係者の注目を集めている。保健婦の平均の人件費単価を780万円とすると,780万円×1万人=780億円が増員分の人件費となる。平成11年の保健婦数はおよそ3万3000人と予定しているが,地方財政に必要な保健婦の年間総人件費は,およそ2574億円と見積られる。これは公務員人件費の相当額を占めるため,注目する人も増えるわけである。そこで保健婦は何をする人なのか,それなりの数の保健婦がいれば,何が違ってくるのかを知ろうとするだろうし,それを示すことが一層必要となる。
Copyright © 1994, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.