特集 これからの保健婦教育—新任保健婦の教育
新任保健婦の置かれている問題点と現場への期待
佐野 光世
1
1兵庫県立総合衛生学院
pp.91-95
発行日 1994年2月10日
Published Date 1994/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662900868
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はじめに
保健婦は地域住民の身近なところで,人々の健康と生命を守ることを役割として対人サービスを実践してきた。過去においては,結核・急性伝染病・母子保健を中心とする生活改善に関わり,高度経済成長や地域開発などの社会の変動による成人病対策や精神保健など,社会環境の変化の中で保健活動に従事してきた。そして,現在では寝たきり老人や痴呆性老人ら高齢者の保健活動や,難病・慢性疾患の在宅ケアにおいても保健婦に期待が寄せられている。
しかし,法的に規定されている保健婦業務と同時に,多種多様な保健事業の推進が業務量を増大させ,地域住民のための保健活動をますます困難にしている。これからの保健婦活動は,地域社会で人々の固有の生活と健康状態を改善していくための努力を地域の人たちと連携しながら実践できる体制づくりを,積極的に展開していかなければならない。
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