特別寄稿
訪問看護業務における医師の指示と看護職の法的責任の範囲を考える
津村 智恵子
1
1大阪府立看護短期大学
pp.294-299
発行日 1993年4月10日
Published Date 1993/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662900677
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はじめに
入院医療費抑制策と併せ,「できるかぎり,住み慣れた我が家,我が街で,自分にふさわしい生活を続ける」をキャッチフレーズに,国は高齢者対策の一貫として訪問看護事業に力を注いでいる。厚生省の1991年10月の「医療施設調査」によると,訪問看護実施病院数は病院全体の27.1%に及んでいる。1992年4月1日には看護職が初めて管理職となれる老人訪問看護ステーションが誕生し,2000年までに全国で約5000か所の設立が予定されている。また,同時に行われた診療報酬改正での訪問看護料金は1990年度の50%に次いで20%アップとなり,看護職への期待は大きい。
予測される訪問看護職の増加に併せ,さらに訪問看護を主体性,専門性の高い魅力ある業務とするため,保健婦助産婦看護婦法第5条(以下,保助看法と略す)に規定する看護業務「療養上の世話」「診療の補助」の法的責任を訪問看護業務に当てはめ考えてみる。
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