特集 老人保健事業第三次計画と老人訪問看護制度
地域保健と老人訪問看護制度
西 正美
1,2
1石川県
2石川県保健環境センター
pp.759-763
発行日 1992年9月25日
Published Date 1992/9/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662900572
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はじめに
高齢化社会への突入
昭和20年代は,第2次世界大戦による都市破壊,諸物資の払底,食料不足などによって健康状態は極度に悪化し,赤痢,コレラ,発疹チフス,結核,性病などの急性・慢性伝染性疾患の蔓延の中にありました。この時代では公衆衛生の主題も急性・慢性伝染性疾患の蔓延防止・予防でした。先輩たちの努力と社会資本の充実によって生活環境は著しく改善され,多くの伝染性疾患は克服されました。
疾病構造の変化,平均寿命の伸展は高齢化社会を生み,老人保健などについても多くの課題を私たちに投げかけました。感染症中心の公衆衛生活動から,加齢の健康管理や高度社会での精神保健管理に移ってきました。昭和40年代から50年代にかけ,死亡率第1位であった脳血管疾患は,寝たきりや身体麻痺など,その後遺症による生活上の障害対策も含め,大きな課題です。
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