特集 最近の保健婦活動研究論文集
小谷村における飲酒習慣について—長野県北部の降雪地帯の農村における飲酒習慣調査
篠崎 美紀
1
,
山田 真由美
1
,
小泉 典章
2
,
川上 喜美子
3,4
1小谷村役場
2信州大学医学部精神医学教室
3大町保健所
4現,須坂保健所
pp.717-723
発行日 1992年9月10日
Published Date 1992/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662900561
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はじめに
当村は,長野県最西北端に位置する豪雪山村であり,冬期間はスキー観光を中心産業としている。一方,小谷杜氏として知られる酒造業に出稼ぎをする人も多い。
村では,糖尿病教室を実施しているが,1989年の教室出席者36名中,肝障害を併せ持つ人が6名もいた。参加者の中にはアルコール性肝炎と診断され治療中のケースがいる。糖尿病のコントロール不良で,何回も内科へ入退院を繰り返しているが,本人の自覚はもとより,家族の理解のないままアルコールへの認識がなされていないことにも気がつく。また,村の家庭を訪問すると,昼間からお茶代わりに酒を出すことがあるという話も聞く。
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