特集 飲酒習慣の害
飲酒習慣に問題のある人へのアプローチ
河崎 雪江
1
,
大江 まさ子
1
,
渡辺 孝子
1
,
武内 和子
1
1国立療養所久里浜病院アルコール専門病棟
pp.266-270
発行日 1981年3月1日
Published Date 1981/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661922732
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はじめに
巷に泥酔者が多く見られる季節が訪れてきた。この季節になると,長年の飲酒習慣のある人が,忘年会・新年会等の回を重ねて飲み過ぎ,悪酔い・二日酔いで頭痛,嘔気,悪感,疲労感,不眠などの身体問題で,一般内科を受診する人が多くなる.
上記のような患者が,一応内科治療を受け,症状が軽快し,その後しばらくは酒をひかえ(1-3か月間),節制することにより体調が良好となって,仕事も容易にできるようになる(つまり,飲酒できる体になったと錯覚をする).このような状態になると,何かがきっかけで,以前の悪症状を忘れたかのように,再び酒に親しんでくる.すると,今度は早期に酒量が増え,大量飲酒から連続飲酒になって会社を欠勤するようになり,身体問題(肝炎,肝硬変,胃潰瘍,十二指腸潰瘍,糖尿病,高血圧,膵炎など),家族内トラブル,事故なども起こってくる.
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