発言席
子どもたちの性教育
山本 直英
1
1“人間と性”教育研究所
pp.417
発行日 1992年6月10日
Published Date 1992/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662900493
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あなたが子どもにむかって性教育をする時に,一番語りにくいテーマは何ですか。それは多分「外性器」と「性交」ではないでしょうか。同じ性器でも内性器の方の卵巣,子宮,精巣について語るのは恥ずかしくないと思います。男の子だって子宮の図を見て興奮することもないでしょう。ところが,ペニスやクリトリス・バギナなどの外性器となると,人の前では言いにくい言葉となります。これもまだ外国語だからいいのですが,陰茎,陰核となると口に出しにくいようです。
まさに性器によく使われる文字の(陰)のように,日常生活では特殊扱いされるのが外性器なのです。一体,私たちはいつまで〈あそこ〉とか〈あれ〉〈それ〉のように代名詞を使って,性器を表現しなければならないのでしょうか。もうこのあたりで性器にも市民権を与えて,性器も人権の一部として見るセックス観をもつようになりたいと思いませんか。
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