特集 新エンゼルプランの推進と展望
子どもたちがのびのびと育つ教育環境
清水 凡生
1
1呉大学看護学部
pp.712-716
発行日 2000年10月15日
Published Date 2000/10/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401902378
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学校は本来子どもたちがのびのび行動でき,思う存分学べる場所であるべきで,このような主題が選ばれることが,今の学校が病んでいることを如実に示していることになるであろう.不登校や校内暴力が問題になり,続いていじめが問題になり,その後自殺,学級崩壊など学校における異常事態はますます大きくなっていく.中高生にいたっては,過激な犯罪行動がみられるようになっている.これらの問題の解決なくして子どもたちの快適な学校生活はない.しかし,教育学や心理学の専門家でない筆者にはこれらに対する教育学的解決策を述べることは無理である.ここでは学校における問題についてもふれるが,心の問題にいささか関心をもつ小児科医として,学校で起きた問題に対処する方途としてのスクールカウンセラーの役割と効果について述べることにする.また,思春期世代にある中高生の異常行動の根源が幼児期における親と子の関係にあると考えられることから,将来親になる子どもたちに子どもの理解,親になることへの準備的な認識などを生起させる方途についても述べる.
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