特別企画 性の動向と課題
助産婦事典
性教育のひとつのポイント—男と女は対応しあって変わる
山本 直英
1
1吉祥女子高校
pp.445-447
発行日 1979年7月25日
Published Date 1979/7/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611205572
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変わらない若者のセックス観
1世代とは30年を意味し「世代が違う」というと,考え方,感じ方,生き方などに大きなズレがはっきりと感じられた。特に終戦後1世代を経過して,この30年間は,道徳を始め風俗,文化,政治,経済などを見ると,戦前と較べて,まるで別世界のように変わってきている。これは単に連続した30年ではなく,社会の一大転換期を含んだからではあったが,この変化は最近こきざみに起こってきている。今は4,5年か2,3年へだてた若老同士でも理解し難い場面もある。よほど時代の動きに敏感でないと,中年以降の者にとって,若者の言葉が外国語のように聞こえてくることもあろう。私は自分の20代から40代まで,いつも16歳から18歳までの若者を相手に過ごしてきたので,彼らの変化を感じることもできたし,また性教育に取り組んでいたために,自分もおいてきぼりをくわないぐらいにナウな鍛えられかたをしている。
ところが,その私から見て,若者のセックス観がちっとも変わつていないので驚くことがある。確かに若者の性行動はかなり大胆になってきた。昔は,男子には性病で脅し,女子には妊娠や,処女でないとお嫁にいけなくなる(傷物(キズモノ))と脅しながら,青年たちの性行動を抑制してきた。
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