特集 歯科保健
障害者の歯科保健と摂食障害—保健婦との連携を考える
向井 美惠
1
1昭和大学歯学部口腔衛生学教室
pp.337-342
発行日 1992年5月10日
Published Date 1992/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662900475
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はじめに
障害者におけるう蝕や歯周疾患などの口腔領域の疾患の発生原因は,健常者と変わらないため,歯科保健の上での考え方や内容も基本的には健常者のそれと同様である。しかし,種々の障害を持っている人たちが,心身ともに最良の健康状態で,諸器官の機能が営めるようにするためには,健常者に比べ障壁が大きいことは否めない。
国際障害者年以来,我が国においてもゆっくりではあるが障害者の歯科治療や保健活動がなされてきている。各地で障害者歯科保健に関する一次,二次,三次医療機関の整備とリファーラルシステムも地域の口腔(歯科)保健センターなどを核にして,少しずつではあるが確立されてきており,障害程度や内容に応じてそれぞれの機関でう蝕などの疾病に対する治療と歯口清掃指導などが主としてなされてきている(図1)。
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