連載 保健所長のひとりごと
すべての人が健康で生き生き長生き楽しい人生を
後藤 敬子
1
1群馬県高崎保健所
pp.246-247
発行日 1992年3月10日
Published Date 1992/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662900454
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過ぎし日の公衆衛生活動を回顧して
上毛三山の雪もうすらいで,寒さのなかにも何となく春の気配が感じられるきょうこの頃です。
私も愛する郷土で公衆衛生の道を志して40年余り,その間,県内何か所かの保健所も歴任しましたが,時代の流れと共に人は移り変わり,当時の公衆衛生活動を知る人も少なくなってしまいました。戦後まもない頃は,生活環境はドン底にあり寄生虫は蔓延し,結核が死亡の主因を占め,赤痢等の急性伝染病が多発し,乳児死亡率も高く,それにどっと押し寄せたベビーブームなど,緊急に対処しなければならないことばかりで「もうやるしかない」という使命感に燃えて夢中で突き進んで来たような気がします。
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