連載 保健婦はおもしろい
これからの保健婦活動
小坂 ふき子
1
1三重県多気郡勢和村
pp.1115
発行日 1991年12月10日
Published Date 1991/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662900395
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県の保健婦として働いていた私が,家庭の事情で勢和村に就職をして14年目を迎えています。月日の流れの速さを今更ながら感じると共に,よく勤めてこられたという思いがします。幼い子供とねたきりの母を抱えながら,家庭も仕事も中途半端になってしまうのではないか,と思い悩んだ日々もありましたが,仕事を続けていくことを母が了解してくれたことと,これは私に与えられたねたきり老人ケアの実践学習の場でもあると考え,大変だったけれども仕事を続けながら母を看取ることができました。
今,勢和村の老年人口割合は19.9%と高く,ひとり暮らし老人,老夫婦二人暮らし,ねたきり老人,痴呆老人が増えつつあり,高齢者対策は急務となっています。体に故障があり,自分の身のまわりのことができかねている,それでも施設へは入りたくない,住み慣れたところで余生を送りたいというひとり暮らし老人がいます。老夫婦二人暮らしで夫がねこんでしまい,高齢の妻が足腰の不調を訴えながら,かろうじて介護をしている老夫婦もいます.
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