連載 ホワイエだより・8
ホワイエはオアシス
寉岡 静枝
pp.884-885
発行日 1991年11月10日
Published Date 1991/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662900343
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非難の電話
稲毛ホワイエを発足当初から利用させていただいている私の両親は時折り,テレビの取材を受けテレビ出演することがある。すると放映後,わけのわからない非難の電話で介護者は頭を抱えこんでしまうことがある。それは「どうしてあんなところに預けるのか」または「どうしてあんな風にしてしまったのか」と非難にみちた言葉が受話器から聞こえてくるからである。
一方,テレビニュースでは老人施設の数が少なくて,家庭で介護せざるを得ない人たちがこんなに多数いますよと放送される。「痴呆老人とパーキンソン症候群の両親を,自宅で息子夫婦と娘夫婦によって介護しているわが家は,常識からはずれているのかしら」と,冗談を言ってしまう。でも「冗談が言えるのも1日7時間位でも,自分の自由な時間が持てるようになったからよね」と,今日も2人で話をしたところである。
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