特集 保健婦活動とリーダー
現場の保健婦が求めるリーダーとは
大津 英子
1
1葛飾区葛飾保健所
pp.23-28
発行日 1990年1月10日
Published Date 1990/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662900006
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はじめに
社会の変貌とともに,地域住民の生活全般が大きく変わってきている。高齢化・情報化・国際化そして高学歴化の時代といわれる今日,家族構成も変化し,独居老人,老人夫婦世帯が目につくようになった。核家族化や共働き世帯が増加するなかで,家庭内の介護力は低下する一方となっている。情報の氾濫は精神や心理的問題現象を引き起こし,交通の発達は国際的感染症を広めるなど,社会問題となっている。
高学歴化で人びとの知的水準は向上し,価値観も多様化してきている。物の豊かさを求める時代から,精神的な心の豊かさを求める時代へと変わってきたのである。保健婦活動に対するニーズも,画一的で受け身一方なものから,個性的で,かつ多様な対応が求められる時代になっている。私が所属する特別区の保健所においても,昭和50年の都から区への移管,そして昭和58年の老人保健法制定以後の事業をみても,市町村業務を包含する特別区の保健所の事業は量質ともに増大し,それに携わる職員も忙しくなっている。そして保健所のあり方,機能まで問われる時代となったのである。これは保健婦活動のあり方を問われることでもある。
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