特集 ヘルスプロモーションとまちづくり
ヘルスプロモーションからみた保健婦活動
飯村 富子
1
1神奈川県川崎市女性行政推進室
pp.1065-1070
発行日 1992年12月10日
Published Date 1992/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662207889
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はじめに
私たち保健婦は,ヘルスプロモーションオタワ憲章に述べられているように,地域住民が生活の場でそれぞれの健康状態に合わせて「自らの健康をコントロールし,改善することができるようにする」ことをめざし,さまざまな住民同士の学習交流の場を意図的に作ってきた。
具体的には,成人・老人健康診断・健康相談から健康増進教室・婦人の健康づくりを経てセルフケアグループへ,寝たきり老人訪問からリハビリ教室を経て当事者活動へ,母親学級から妊婦・産婦が地域で集まる育児グループ,1歳6か月健康診査から母と子のちびっこ健康教室を経て,育児グループ育成,精神障害者の訪問からデイケア活動を経て患者会,家族会活動,老人精神保健相談から痴呆老人デイケアヘ,さらには地域作業所や生活ホームなどの活動へと展開させてきた。
これらの活動を通して,社会福祉協議会,老人いこいの家,特別養護老人ホーム,地域医療機関,子供文化センター(児童館),市民館(公民館),保育園,福祉事務所などとの連携が深まってきた。
住民自身は,健康問題を入り口として「出会い,ふれあい,学び合い,支えあい」健康問題の解決に向けて地域のネットワークを広げ,住みよいまちづくりへと発展させている。
本稿では川崎市幸保健所の活動を紹介し,テーマについて述べてみたい。
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