特集 ヘルスプロモーションとまちづくり
保健婦としてヘルスプロモーションをどう理解するか
白髭 芳子
1
1東京都世田谷区砧保健所
pp.1071-1076
発行日 1992年12月10日
Published Date 1992/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662207890
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はじめに
「ヘルスプロモーションとは,人々が自らの健康をコントロールし,改善することができるようにするプロセスである」1)つまり,自らの健康をより豊かに,創っていくというポジティブな健康創造活動である。
ヘルスプロモーション活動の方法には,①健康的な公共政策づくり,②健康を支援する環境づくり,③地域活動の強化,④個人技術の開発,⑤ヘルスサービスの方向転換がある。すなわち,ヘルスプロモーション活動には,個人レベルの活動から家族,地域レベルの活動そして国レベルの政策までの広範囲な活動が必要なのである。
このことは,保健婦活動にも通じる。個人の健康問題に直面した時,その解決において「個人技術の開発」のみにとどまらず,その個人をとりまく地域全体に個人の健康問題を反映させていく。そして,「地域活動の強化」「健康を支援する環境づくり」へとつなげ,「健康的な公共政策づくり」にまで発展させる。このダイナミックさが保健婦活動である。こうして考えると,保健婦活動はすべて究極的にヘルスプロモーションにつながっているといえる。
このようなヘルスプロモーションの理解のうえで,現場での活動をヘルスプロモーションの視点から考えてみたい。ただし,私自身,ヘルスプロモーション活動が実際の活動として,まだまだ展開できていない。現場での活動というより今後の課題を中心に,次の2点からまとめていきたい。
●ヘルスプロモーションにおいて政策が重要であることを述べたが,保健婦の立場からまちづくりの政策を見直す。
●まちづくりの中で保健婦が関わる健康づくりについて,ヘルスプロモーションの視点で見直す。
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