特集 老人保健活動の評価
老人保健における健康診査活動の評価
小町 喜男
1
1筑波大学社会医学系
pp.291-295
発行日 1989年4月10日
Published Date 1989/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662207723
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はじめに
老健法が制定され,そのなかの保健事業が,市町村が主体性をもち,保健所はこれをバックアップする形で行うと定められてから,はやくも6年を経過した。その間にいろいろな問題点が出されている。いわく,市町村の保健婦は検診の数を処理することに追われて,保健婦本来の仕事ができない。あるいは,保健所は,バックアップにのり出したくても,保健所主導の仕事でないからやりにくいとか,訪問指導を行うにも,保健所に予算がついていないからやりにくいとか,種々の立場での不満が多くみられている。
端的にいって,これらは,単に不平,不満で終わってしまうと,これはあくまでも,いわば,身内のなかの不平であり,不満であり,公的な立場とか,民間など第三者の立場からみた場合,その不平,不満が,そのままとおりにくい場合も多くみられるようである。
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