特集 老人健康診査
老人の健康診査
相澤 豊三
1,2
1立川共済病院
2慶大
pp.587-591
発行日 1973年9月15日
Published Date 1973/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401204717
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最近,日本人の寿命が延びて70歳を超えようとし,人口構成は壮年から老年層に移ってきた.従来おそれられていた感染症では若い人が死ねなくなってきたからである.当然の結果,血管の病気と癌とがとり残されて老人を襲う主たる疾病となったわけである.
最近のやかましくいわれている成人病なるものは老化現象を伴なっている健康異常であると解釈されているが,やはりその重点は循環器病と腫瘍(癌)にあるといってもよいであろう.現在,わが国民死亡の頻度は,脳卒中・癌・心臓疾患,老衰,事故死の順であることからもそれが判る.上述のうちに老化現象,老衰ということばが出たが,それはいったい何を意味するのか,老化現象にとって老人の健康診査はどのような意義があるのか.また乳幼児の健康診査との違いといった点に問題を絞って話しを進めていこうと思う.
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