特集 老人の保健・福祉
老人健康診査とその問題点
山下 章
1,2
1中野友愛ホーム
2東京医大
pp.554-558
発行日 1978年9月15日
Published Date 1978/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401205672
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はじめに
昭和38年に老人福祉法が制定された際,唯一の保健活動ともいうべき老人健康診査の制度が定められている.そして,制定理由として「老人は一般に有病率が高く,疾病に対して強い不安を持っているにかかわらず,社会的および経済的理由により受診の機会を阻まれている例が多いので,老人に受診の機会を与えることによって疾病の予防および早期発見を行ない,老人の健康保持に資する」というふうに述べられている.ところが昭和48年,老人医療費支給制度ができて老人の受療率が急速にのびてきたために,当初の老人健康診査の役割がうすれてきた.そこで改めて老人健康診査について再検討の要が出てきたのである.以下,各地の資料を根拠にしながら,問題点をさぐり,今後の老人健康診査のあり方を求めてみることにする.
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