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―季羽㑧文子監修・ホスピス ケア研究会編―「ホスピス ケアのデザイン―ナースが当面する問題とその対応」
足立 紀子
1
,
季羽 㑧文子
2
1世田谷区役所衛生部保健課
2ホスピスケア研究会
pp.158-159
発行日 1989年2月10日
Published Date 1989/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662207699
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人が人らしく生きることを考えるために
「私達は,看護婦としてまた私達自身の行動について責任があります。こうすべきだと教えられたことだけをしなければならないとは限りません。私達は,医師と話し合う権利があります。看護婦が専門職ならば医師に対して反論する義務があります」
これは,本書の第3章で癌末期患者の疼痛コントロールについて述べている部分です。明快で,実に厳しく,そして当たり前のことなのですが,日本の医療現場や在宅療養の現場で,看護がどれだけ主張できるのか不安を感じました。この本は,ホスピスケア研究会が英国の看護婦お2人を招聘し,ホスピスケア,ターミナルケアについて講演会を開催されたときの内容をまとめたものです。ホスピスケアとターミナルケアとの関係,その基本的理念をはじめ誰でも当面する状況のケアについて,理論的かつ具体的に述べられています。
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