特別寄稿
母子保健行政の最近の動向
石塚 正敏
1
1厚生省児童家庭局母子衛生課
pp.745-750
発行日 1988年8月10日
Published Date 1988/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662207586
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はじめに
母子保健指標の代表格ともいえる乳児死亡率は,昭和62年,ついに出生1,000対5を割り込み,4.98(発表値は四捨五入で5.0)という優秀な値を達成した。スウェーデン及びフィンランドが5.9(1986年),スイスが6.8(同)というから,わが国の数値は文句なしに世界最低率と考えてよいであろう。こうした背景には,医学・医療の進歩はもちろんのことだが,母子保健システムの整備がかなりのレベルまで進んだことに拠るところが大きいと思える。一部の領域を除き,わが国の母子保健システムは世界的にも誇れるものであるといってよいであろう。
こうした状況のもとで,母子保健行政は安泰かといえば,決してそのようなことはなく,さまざまな新しい課題が登場しているのである。
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