グラフ
公衆衛生の歴史をたどる 日本=2—19年の頓挫
日野 秀逸
1
,
菊地 頌子
2
1国立公衆衛生院衛生行政学部
2江東区城東保健所
pp.697-704
発行日 1988年8月10日
Published Date 1988/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662207576
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明治14年(1881年)の政変を起点として,天皇制国家の整備・軍国主義の強化,すなわち「富国強兵」策が進められた。このため,地方財政を改革し,1884年には衛生費と医学教育を含む教育費を削減した。さらに1886年には公選衛生委員が廃止され,衛生行政は警察署が行うことになった。こうした衛生行政の変質・後退を,長与専斉は"19年の頓挫"と把握した。"19年の頓挫"に示される国の公衆衛生に対する対応は,その後,今日に至るまで繰り返し登場し,わが国の公衆衛生を特徴づけるに至っている。
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