研究
保健行動の分析—年齢を指標として
高林 ふみ代
1
1静岡女子短大看護学科
pp.254-260
発行日 1988年3月10日
Published Date 1988/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662207506
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はじめに
プライマリーヘルスケアの思想が社会的に市民権を得るより早く,福祉予算切りつめ政策のあおりを受けて,また延び続ける平均寿命を生き抜く必要性に迫られ,健康でありたいという切実な思いが人々の心の中に根付いたようである。しかし,健康ブームという言葉に代表されろように,それは,商業主義にあおりたてられた部分が少なからずあるように思われる。あふれる健康情報の中で,人々は,取捨選択の自由を得ると同時に,それらを判断する能力を持つ必要に迫られている。より的確なプライマリーケア実現のための判断材料となる知識を供給することは,今後ますます保健サービスの中で重要性を増すであろうと思われる。
しかし,宮坂1)は,単なる保健知識の向上が必ずしも保健行動に直結しないと述べている。また,牛島2)は,「(健康の;筆者注)自覚と健康に対する配慮の相関は男女ともに低く,不健康を自覚するから健康の配慮をするという傾向にはなっていない」と指摘している。
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