連載 開拓保健婦に看護のルーツを探る・18
考える賢い農民づくりめざして
小島 ユキエ
pp.772-773
発行日 1987年9月10日
Published Date 1987/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662207379
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保健婦さんはいつ寝るの?
歯舞村から標津町古多糖地区開拓診療所に勤務替えとなった加藤さんは,日中は家庭訪問に力を注ぎました。とはいえ,夜間および日曜・祭日は必ずといってよいほど,急患や分娩介助に呼ばれ24時間労働が重なったのです。悪天候の日なども,急患が出そうな予感がして,それが的中することが多かったそうです。深夜急病人で,呼びに来た人の自転車のペダルの音が近づいてくると,電灯をサッとつけるので「保健婦さんはいつ寝るの」と住民から言われたそうです。1夜にお産が二軒重なることも珍しいことではありません。その一方で,根室支庁開拓保健婦研修会を拡大して釧路支庁開拓保健婦との交流研修会も開催しました。その席にはいつも支庁長をはじめ町村長をお招きして,開拓保健婦活動の理解を求める機会としました。その過程で保健婦全員にスキーが貸与され,マスコミの話題になりました。そのことはやがて道庁からの50ccのバイクの支給へと結びつきました。
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