特集 これからの保健所と保健婦
Ⅱ保健所に望む
開拓保健婦の立場から
もの言わぬ農民に代わりて
大西 若稻
1
1北海道稚内市開拓営農指導所勇知支所
pp.54-55
発行日 1968年3月10日
Published Date 1968/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662204143
- 有料閲覧
- 文献概要
北海道辺地農村開拓地に駐在し,開拓保健婦業務に従事いたしております立場から,地区の現況よりみて公衆衛生行政への期待はまことに大きなものがあります。しかし私のこの叫びが,とかく犬の遠吠えに終ってしまいはしないかという危惧が先立ってはまいりますが,物言わぬ農民の代弁者として,少しでも人びとの関心をよせていただくよすがにでもなればと考え,ここに拙文をあえて寄稿するしだいであります。
人びとはこの世に生を受けて以来,自らの幸福を願い,生命の尊厳さを想わぬ者はないと思いますが,この観点より考えた場合,この辺地農村における人びとの様相と,都市の人びとのそれとの保健上の格差はまことに大きいものを感じざるを得ないのが現状であります。そしてこの格差を生ずる要因として2つの性格をあげられるのであります。
Copyright © 1968, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.