Japanese
English
翻訳/母子
フィンランドの児童福祉—フィンランド児童福祉中央協議会
Child Welfare in Finland
田川 智子
1
,
山根 洋右
1
1島根医科大学環境保健医学
pp.986-998
発行日 1986年12月10日
Published Date 1986/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662207249
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翻訳にあたって
フィンランドで研究に従事していたある日,日本の子供たちの健康問題に話題がおよんだ。日本の子供が自殺,他殺,交通事故で尊い生命を失い,学校では暴力,非行,登校拒否,心身症などで悩んでいることを話したとき,研究者の1人が「なぜ社会がそれを防止することができないのか?」と質問した。子供の自殺や一家心中などは特に理解しがたかったようだ。今でも「なぜ,社会がそれを防止することができないのか?」という言葉が耳に残ったまま消えない。「Child Welfare in Finland」の翻訳を通じて,社会の責任としてすべての子供たちに健康で清潔な,人間の尊敬にみちた環境と社会を用意することが,私たちの歴史的使命であり,フィンランド国家が子供たちの社会福祉のため展開している政策の中に,今,日本が見失いつつある社会福祉の理念,温かな社会的意志をあらためて感じることができた。
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