解説/乳幼児
新生児,乳児の心症状—先天性心疾患を発見する糸口
辻 敦敏
1
,
矢内 淳
1
,
駒井 孝行
1
,
隈部 桂子
1
1山梨医科大学・小児科学教室
pp.946-948
発行日 1986年11月10日
Published Date 1986/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662207241
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
要旨
先天性心疾患は出生100人に対しておよそ1人の割合で発生するといわれています。この先天性心疾患を持った子供たちの3分の1は1歳以内に死亡する可能性が多く,その原因は原疾患に心不全を併発したものです。したがっていかに早く新生児,乳児期の心症状を把握し,正確な診断と的確な治療を取りうるかが患児の延命,救命をはかるポイントとなります。
今回は,私たちの大学附属病院開院2年間に診断が確定した62名を対象に,何が心疾患発見の糸口となるかを検討してみました。その結果は1)呼吸困難,多呼吸,2)チアノーゼ,3)易疲労性:哺乳量の減少,4)多汗などで,すでに成書に記載してあるような項目が目安として浮かんできました。日常,新生児,乳児に接する機会の多い皆さん方の参考にしていただければと思います。なお,この要旨は第3回山梨小児保健研究会で報告したものです。
Copyright © 1986, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.