研究
アルコール依存症の社会療法における保健婦の役割・機能(第2報)—社会復帰への援助を中心に
安田 美弥子
1
1埼玉県立衛生短期大学
pp.700-705
発行日 1986年8月10日
Published Date 1986/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662207199
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はじめに
厚生省の「飲酒パターンとその健康への影響に関する調査」によると,医学的治療を必要とするアルコール依存症者(以下,ア症者と略する)は少なくみても全国で220万人と推定されている1)。この数字は入院している精神分裂病者の約10倍であり,昭和58年度末の結核登録患者の約6.2倍である2)。
アルコール依存症の恐ろしさは1979年のWHOの専門委員会で「アルコール関連問題」として取り上げられたように,臓器障害,家庭問題,交通事故,職業上の問題,さらに犯罪や非行など社会的広がりをもつ,大きなものであり,当面する精神衛生上の重要問題であると指摘されている3)。
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