文献研究
いわゆる"先天性"股関節脱臼第1次予防運動の歴史と今後の課題
鈴木 郁子
1
1長崎女子短期大学
pp.679-691
発行日 1984年8月10日
Published Date 1984/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662206874
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I.はじめに
石田が先天性股関節脱臼(以下,先天股脱という)の第1次予防の可能性を提唱した論文に,筆者が最初に接したのは1973年2月であった。当時から短大幼児教育科,家政学科で乳児保育関連の教科5つを担当していた筆者は,指導内容,指導法,教材の作製などを模索していた時期でもあり,先天股脱第1次予防の育児法に興味と関心を抱いた。
石田が先天股脱は〈後天性〉ではないかと気付き,実験やフィールドワークで予防理論を構築してから18年の歳月が経過した今,日本各地から先天股脱発症率の著しい低下が報告され,重症の真の〈先天性〉の股脱のみを残して,大多数の先天股脱は姿を消したのである。日本の子ども達に大きな福音を与えている。
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