特集 第16回自治体に働く保健婦のつどい集録
草の根の活動を保健婦の手で
―分科会―精神障害者の社会復帰をどう援助するか
中沢 正夫
1
1代々木病院
pp.532-543
発行日 1984年7月10日
Published Date 1984/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662206856
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境町からの報告
精神衛生相談を始めてから今日の作業所作りにいたるまで
司会 この分科会は精神障害者の社会復帰の援助を中心に進めていきたいと思っています。最初に群馬県境町の田島さんにお願いして,長い間の地域の御経験を出していただければと思います。
田島 私の勤める境町は昭和40年12月から精神衛生相談を開始しました。相談日には患者を連れて来ないで家族だけが来たりして,先生に患者を見なければわからないなんて言われ,苦労した時代もありました。境町も最初から精神障害者に保健婦が受け入れられたというわけではありません。例えば,当時入院患者の場合,とても医療費が高く,市民課の係長,課長さんの反対を受けながら生活保護にするため引きさがらずがんばったこともありました。そのうち説明もわかってもらえて課長さんが時折激励の言葉を与えてくれましたり広報面での協力もいただいたりしました。やはりどんな場合にも保健婦は患者側に立つのか,どっち側に立つのかで,考え方も活動の仕方の向きも変わってくると思います。
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