連載 たくましく生きるネパールの人々・4
かかわりあいの中の人生
馬場 新子
1
1元青年海外協力隊
pp.116-117
発行日 1984年2月10日
Published Date 1984/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662206787
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買物
二重価格等という,いかがわしい商法がとやかく言われる日本では想像に絶する,三重・四重・五重価格というのが,ネパールには存在する。早く言えば,定価等ないのだ。
買物に行って,英語でしゃべろうものなら最高の値段がつく。これは,ふっかけ値段である。けれどネパール語が話せると,ぐっと安くなる。それでも,外国人用の値段という相場があって,ネパール人が同じ物を買えばもっと安くなる。ここまでが正式のルートで,後は交渉次第で,両者の合意のもとに値段が決まるのだ。それは値段がある,というよりは値段をつくるという感じに近い。親類縁者や親友等に対する特別価格は別としても,つくる値段は外国人用のそれに比べると2倍,時には3倍の差があったりする。
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