活動報告
老人保健法による手帳交付事例について—藤枝市保健課保健婦一同
pp.723-727
発行日 1983年8月10日
Published Date 1983/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662206723
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はじめに
当市は静岡県の中央に位置し,近年急速に人口が伸びている中堅文教田園都市である。人口約10万8千人。市民部保健課の指導係に係長を含め13名の保健婦が配置されている。今まで福祉事務所に嘱託保健婦,看護婦各1名が配置され,この方方が老人の保健指導にあたっていたが,老人保健法の実施により,保健課指導係が全市民を対象に一生の健康管理にあたることになった。係の平均年齢は30歳で,いずこも同じように保健婦が若返った。
老人保健法施行に先立ち,健康手帳交付は老人保健事業の出発であり,相手をよく知るための機会であるととらえ,健康相談,血圧測定,検尿を実施し,言葉を交し手を握りながら手帳を交付したいと思い立った。制度対象人口は約7千人。他市が大多数郵送又は老人クラブに委託する中で,この方法がはたして受ける側によい方法であろうか,保健婦のみの一方的な考え方ではなかろうかと自問自答したが,三段階方法で踏み切った。①本人に取りに来ていただく,②代理人に取りに来ていただく,③残りは2月1日までに郵送をする。幸いにして,従前より郡市医師会の協力は強く,いち早く老健法に取り組むことができ,好意的態度で数回会議がもたれ,師走には手帳が完成した。
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