特別企画 私の提言
既成概念で相手を見ていないか—3歳児健診アンケート集計から
山本 和子
1
,
大須賀 恵子
1
,
石黒 修功
1
1愛知県岡崎保健所
pp.442-448
発行日 1982年6月10日
Published Date 1982/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662206528
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はじめに
私達が相手の意識,行動の変容をねらって働きかける衛生教育活動は,従来,私達の意識及び姿勢(相手をどう受け止め,何を目標に指導するか)に関する《援助のあり方》については問題にされることが少なく,相手の行動や考え方をどのように変化させるかという部分に多くの関心が払われてきた。伝染病予防が中心であった時代から,成人病に代表される慢性疾患,さらに現代社会を反映した精神衛生問題や,子育てまでパターン化させないと不安な母親の問題等,私達の援助活動も多様化している。
3歳児検診について,当保健所では,昭和52年後半より《ママしんぱい?》と題する教育スライドを作成したり,独自のパンフレットを使用する等,種々の媒体を用いて,健康教育に重点を置いて取り組んできた。又個別指導では相談コーナを設けて,1人1人のお母さん達の悩みに答えてきた。そこで今回は昭和54,55年度の3歳児健診時のアンケートの集計,分析を通して,①私達の既成概念の見直しを行い,②援助姿勢のあり方の反省と今後の方向を探り出した。又,これらの反省は特別な調査をしなくても,私達の日常活動で得られる情報で十分可能であることを学んだので紹介する。
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