特集 3歳児健診の再検討
話しあい
3歳児健診と幼児の健康管理
船川 幡夫
1
,
浅野 一雄
2
,
深瀬 須加子
3
1東京大学教育学部
2厚生省母子衛生課
3東京都碑文谷保健所看護係
pp.10-21
発行日 1969年8月10日
Published Date 1969/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662204478
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□幼児健診の突破口として
浅野 昭和36年度に初めて3歳児健診の予算がとれた,その当時私は母子衛生におりまして,この仕事を予算要求の段階からいろいろ立案した記憶がございます。少なくとも行政的な立場では,零歳児,いわゆる乳児の健康診査,保健指導というものに重点が置かれていた。それはそれなりの十分な意味があるわけですけど,幼児死亡率が案外高いのにかかわらず,幼児に対する行政的な指導の手が伸びてない,そこでいわゆる行政的な立場からなんとか幼児に手をつけなきゃいけない,学校に行ってからはこれは学校保健という割り切り方をいたしますと,少なくともわれわれの当面の対象は1歳を過ぎてから就学前までの幼児をどうとらえて指導していくのか。乳児期を過ぎますと死亡率も病気のしかたも減ってくるというふうなことから,また乳児期にさんざん苦労してホッとした母親の気持もあるということで,笛や太鼓で幼児期は大事だということを一時いったこともございますけど,なかなかアピールしないということから,なんかいい方法がないかというふうに悩んでたわけでございます。
そこで行政的にアピールするためには,1つのキャッチフレーズが要るということで,『「三つ子の魂百まで」だからひとつ3歳児健診をやったらどうだ』ということになったと記憶しております。
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