特集 北海道開拓保健婦の足跡
住民と共に生き,共に働き……
北海道の開拓保健婦—歴史的な背景
坪田 静子
1
1天使女子短期大学
pp.50-56
発行日 1982年1月10日
Published Date 1982/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662206471
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はじめに
昭和45年4月,国の農業政策転換により開拓保健婦制度は廃止され,それまで農林省所管であった開拓保健婦に関する事務は厚生省に移管されました。北海道としても83人の開拓保健婦が農地開拓部から衛生部に所管換えとなり,開拓保健婦の名称は消えて,保健所保健婦となりました。
ちょうどこの準備の頃,衛生部として所管換え受入事務担当である看護係長が多忙のあまり健康を害し,やむなく行政には全く素人の筆者がその後任として発令され,移管にまつわる諸種の事務をしなければならなくなったのでした。20年程前に,保健婦として働くなら一度は開拓保健婦をしてみたい,と思いながら,夢を果たせずに時が経ち,開拓保健婦制度に終止符を打つ事務処理の役割を担わなければならなくなったとは,全く皮肉なことでした。
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