特集 北海道開拓保健婦の足跡
住民と共に生き,共に働き……
思い出
沢田さんの暖かい心と痛みの思い
山ノ内 廣子
1
1道庁総務部職員厚生課
pp.30
発行日 1982年1月10日
Published Date 1982/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662206463
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彼女が開拓地に初めて赴いたのは昭和28年とのこと。戦後の混乱期をようやく脱しきれたような時期でしたが,寒冷僻地の開拓民の生活の困窮ぶりは目に余る状況でもあったようです。道都札幌から1時間半位離れた栗山町の奥地で,彼女は昭和45年までの18年間,開拓民と共に泣き,笑いそして献身的に,営々と開拓保健婦として働いて来られました。ここに紹介された手記からも彼女の開拓民に寄せた暖かい心と,保健婦として,これ以上どうすることもできなかった"痛み"の思いを十分察せられ,深く感動させられます。10年経た今も現地の住民とのかかわりを保ち続けておられるそうです。
45年からは保健所に勤務し53年に退職され,現在は民間の人間ドッグ専門の病院に保健婦として大活躍されております。持前の明朗さとバイタリティでいっそう豊かな生きがいを獲得されることを期待してやみません。
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