患者と私
暖かい農村病院を
伊藤 裕一
1
1岩手県立花巻厚生病院
pp.536-537
発行日 1968年4月20日
Published Date 1968/4/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407204567
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■年々増加する無医村
東北の田舎病院の院長としてまた一介の臨床医として,この地方の農村の人達と接し病気の相談相手をしながら寧日のない日々を過している.私自身秋田の片田舎の農家の生れであり,日々接する農家の爺さん婆さんは私の曾つての両親や郷土の人達の姿である
長いきびしい農業労働の跡が日に焼けた額の皺,ふしくれだつた手や足の隅々に染みこんで居るこの人達と接しながら,いつも私は烈しい百姓仕事に明けくれていた両親の姿を想い出すのである.
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