特集 障害を負った子供への援助をめぐって
神奈川県における一つの試み—神奈川県立こども医療センターと継続看護のシステムづくり
座談会
障害児の生活を支える継続看護—総合保健医療福祉体系のサービスとして
蕪木 秀枝
1
,
杉沢 素子
2
,
田島 香代子
3
,
長谷川 浩子
4
,
浜 利子
5
,
三品 照子
6
1横浜市衛生局保健予防課
2神奈川県立こども医療センター指導相談室
3神奈川県立こども医療センター3階西病棟
4横浜市緑保健所
5神奈川県鎌倉保健所
6神奈川県衛生部健康普及課
pp.358-369
発行日 1981年5月10日
Published Date 1981/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662206373
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発足当時のあれこれ
三品 昭和38年に医療制度調査会が,これからの医療についての答申を出しました。その内容は,疾病予防からリハビリテーションを含む総合保健医療の概念です。これは従来の反省の上に立って,人間の健康の各レベルにおいて必要なケアが行われることの必要性,即ち,地域におけるケアも含む包括医療であることを提唱しております。このことは,患者や家族を含む地域住民にとってはたいへん喜ばしいことですが,現実は医療と公衆衛生が分断され,包括医療は道遠しの観があります。
一方,看護の領域においても,総合看護,継続看護の必要性が唱えられ,一部の病院では実施している所がありますが,その状況は,特に熱心な人がいて実施している活動であるために,その人が職場が変わってしまうとか,理事者の考えが変わったりとかで活動が消長したり,経済的な面で実施できなくなった話などをよく聞きます。神奈川県立こども医療センターでは,地域との継続看護を行政が対応してシステム化しているという点では,非常にユニークだと思います。このことについては,何人かの方々が分担して書いていらっしゃいますので,この座談会では,実際に携わった方々,あるいは地域でそれを受止めて実践していらっしゃる方々に,その現状を踏まえて将来を展望していただこうと思います。
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