特別寄稿
保健・医療・福祉サービス総合化のための病院の役割
川添 善弘
1
Yoshihiro KAWAZOI
1
1厚生省病院管理研究所
pp.874-876
発行日 1988年10月1日
Published Date 1988/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541209392
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はじめに
近年,保健・医療・福祉サービスの総合化が各方面から主張されている.国民医療総合対策本部の中間報告でも,「老人の医療は,個々の疾患の治療だけではなく,家庭や地域社会で生活できるよう,老人の残存能力や日常生活能力を可能な限り維持し,回復させることを中心に考える必要がある」として,①老人にふさわしい施設ケアの確立(病院,老人保健施設,老人ホーム等),②在宅ケアの充実(訪問看護,在宅介護,家庭医機能の拡充・充実),③地域ケアのシステム化の重要性を述べている.これは各種ケアの改善目標を示したもので,その実現には,制度の改正や,各種施設,マンパワーの拡充・整備が必要である.
病院管理研究所では,昭和60年度から3年間にわたり,「施設ケアの機能別再編成に関する総合的研究」(主任研究者大池眞澄)を行ったので,それを踏まえて,今後の病院の役割について私見を述べてみたい.
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