座談会
地域社会と訪問看護—状況把握と条件整備のために
岩下 清子
1
,
蕪木 秀枝
2
,
季羽 倭文子
3
,
小宮 勇
4
1日本看護協会調査研究部
2横浜市衛生局保健予防課
3日大板橋病院訪問看護室
4横浜市旭保健所
pp.170-185
発行日 1981年3月10日
Published Date 1981/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662206352
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全国ホームケア研究会が調査した"医療施設における訪問看護実施状況"によると,157の医療施設で訪問看護が実施されている。又自治体問題研究所が行った各市の保健・医療行政に関する調査によると,22の市で"ねたきり老人訪問看護"が実施されている。この中には東京都の区部等が含まれていないので,実際はもっと多くの自治体で訪問看護が実施されていることになる。
従来,保健婦のみといってよいほど薄かった地域における看護の影が,とみに色濃くなってきつつあることがよくわかる。このことはとりもなおさず,地域社会の中に訪問看護を必要とする状況が急速に起こりつつあることを示しているといえよう。一方,これを受けて立つ側の状態はどうだろうか。まず事実をきちんと認識することはおろか,これを"看護"の共通課題としてとらえようとする努力すらも,極めて不十分ではないだろうか。今こそ"看護"をあげて社会の要求にこたえるべく,早急の対応を図る時であろう。仄聞するところ,保健婦と看護婦間の訪問看護をめぐる不協和音は増幅しているという。本座談会は社会状況の提示と認識落差を埋めるための問題提起を意図して企画したものである。
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