発言席
ネットワークの結節点
池上 洋通
1
1東京都日野市医療と福祉を進める会
pp.1001
発行日 1980年12月10日
Published Date 1980/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662206320
- 有料閲覧
- 文献概要
恥ずかしいことだが,私は,自分の住んでいる地域で難病運動にたずさわるまでは,保健所や保健婦について,考えてみたこともなかった。"保健所だより"とかいうのが,自治会組織をつうじて配られたり,回覧されたりしているのを時折り眺めたことがあるぐらいだ。だから,私の保健所についての知識は,蚊やハエを追ったり,飲食店や旅館を監督したりするところ,といった程度のことで,保健・医療については,せいぜい過疎地での活躍を知らせる報道記事を目にしたことがあるぐらいのことだった。酷い話である。
しかし客観的に考えると,こうしたことは笑ってすまされてはならないことのように思える。私だけが保健所や保健婦の役割について無関心ならともかく,私のまわりにいる多くの人々が同様の認識を持っている。こうなった原因には,学校教育における保健学科の手抜きであるとか,国や自治体行政での施策上の問題であるとかを指摘できようが,保健所とそこに働く人々の活動スタイルにも,いくつかの問題があると思う。ここで私が特に注文したいのは,"情報をより多く住民に"ということだ。3点だけあげておきたい。
Copyright © 1980, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.