連載 活動の中から
胃の検診車がうごかない
吉田 幸永
1
1京都府日吉町
pp.540-541
発行日 1980年7月10日
Published Date 1980/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662206269
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11月○日,日吉町の胃の集団検診がはじまった。初日によい仕事をしておかないと最後まで気合が入りにくい。午前8時,朝食ぬきで受ける人びとが待ってくれているS会議所についた。保健婦の仕事はカードの問診記入と,検診台帳から経過検診結果を調べて書きこむ仕事だ。1人1人に受検カードを渡し車の来るのを待った。
「今日は米の検査日で朝から米を運んで来た」「飲まず食わずで働いて来たんで腹がペコペコだ,早く車が来てくれんかな」受ける人びとは1時間も待たされると空腹感がつのってイライラしはじめる。9時過ぎにやっと車が来た。40人あまりの人びとが,ドッと検診車の方へおしかけて行ったが,30分たっても検診がすすまない。おかしいなと思っていると,検診車の運転手君がとびこんで来て,「電話はどこや,電話は!」と言ってダイヤルをまわしはじめた。待っている人びとは何事かとアッケにとられている。
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