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海外のうごき
pp.43-44
発行日 1950年1月10日
Published Date 1950/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1409200309
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子宮内膜症について
本症は近頃比較的注意されるようになつた.Randall,C.L(J.A.M.A.,1949.139:972)は次のようにのべている.
子宮内膜組織が表面的に播種性にひろがつたり,深く侵入したりして性器,泌尿器及び消化管の機能をきまたげるようになれば症状が起つて來る.本症のひろがる範圍と症状の強さとにはあまり平行關係はないようであう.本症では月經時に疼痛が起ることが多いが炎症や腫瘍のように始終症状が伴う.特に疼痛が進行性であれば本症を疑う必要がある.内膜症は不妊症の場合に起り易い.しかし直接に排卵を妨げることもないし,生殖管もふさいで受胎を妨げるものでもない.妊娠すれば輕快するものである.腸管の障碍は本症では稀ではあるが,直腸やS字状結腸などが記されることがある,時としては膀胱の機能が障碍されたり尿管の下部が狹くなることもある.
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