特集 訪問看護と保健婦の活動—横浜の保健婦が体験しつつあるもの・2
座談会
訪問看護が制度化される中で保健婦がつかんだものは
小宮 勇
1
,
山崎 京子
2
,
岸本 節子
3
,
原田 信江
4
,
志賀 啓子
5
1横浜市旭保健所
2横浜市衛生局保健予防課
3横浜市瀬谷保健所
4横浜市南保健所
5横浜市港北保健所
pp.469-482
発行日 1978年7月10日
Published Date 1978/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662206004
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保健所によって違う活動の実態
小宮(司会) この座談会では,訪問看護制度が始まってから私達保健婦が何をつかんできたかということを中心に話し合ってみたいと思います。
まずこの活動の最初の段階で外側からも自分達の仲間からも言われたことは,今更寝たきり老人を訪問して何になるのか,何で保健婦活動の中に寝たきり老人を取り入れなきゃいけないのか,ということだったろうと思います。その発言の中身を更に広げると,寝たきり老人という特定な個人への働きかけが公衆衛生看護の中でどういう意味を持つのか,予防こそが保健婦の本領じゃないか,という問いかけ,それから寝たきり老人の問題は公衆衛生サイドではなくて,むしろ福祉サイドの問題なのにどうして保健婦が率先して掘り起こしていくのか。又,内側の声として,横浜市の保健婦活動の中で精神衛生活動をどうするのか,母子保健活動も軌道に乗っていないじゃないか,そういう中で何で寝たきり老人を取り上げるのかということ。周囲の人達,保健婦に限らずいうんな人から言われたことの1つは,寝たきり老人の問題を訪問看護だけで片づけようとするのか,医療の下請的な仕事を保健婦がやり始めるのではないかという批判もあったと思います。
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