特集 訪問看護と保健婦の活動—横浜の保健婦が体験しつつあるもの・1
保健婦・訪問看護婦のねたきり老人へのかかわり—2事例をとおして
児玉 美恵子
1
,
伊藤 享子
1
,
中島 由美子
1
,
小宮 勇
1
1横浜市旭保健所
pp.417-422
発行日 1978年6月10日
Published Date 1978/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662205996
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はじめに
旭区における"ねたきり老人の訪問"は,昭和48年頃から保健婦個々の選択により開始されている。48年末に,保健婦が把握していたねたきり老人は184名おり,そのうち114名に対し,1〜19回の訪問を行った。我々は,昭和50年に看護協会保健婦部会神奈川県支部の研究発表会で,114名の訪問活動の実態を報告したが,その時点での保健婦側の問題点として,①継続訪問が必要な事例に対し,訪問ができていない ②ねたきり老人に対する理解の不足がある(病態,心理,社会的条件家族の条件等の理解) ③援助の目標設定があいまい ④援助技術が乏しい(生活行動の援助技術,家族関係調整の技術,社会資源活用の技術) ⑤個への働きかけと集団への働きかけの接点がない,等をあげてきた。
その後50年から,全市的に訪問看護事業が開始され,以降はこの事業の中に包含し,ねたきり老人の訪問を継続してきた。2年を経過した現在,それらの問題がどのような型で発展してきたかを省みる一助として,訪問看護婦に依頼した事例の中で,機能訓練を目的として,保健婦と共同してかかわっている2事例*について紹介し,保健婦と看護婦の活動の違い,ひいては"ねたきり老人に対する保健婦活動のあり方"について考察してみたい。
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