特集 近郊都市におけるねたきり老人の実態と訪問看護
ねたきり老人実態調査
pp.323-341
発行日 1977年6月10日
Published Date 1977/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662205861
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1.調査地区の概要
東京都小金井市全域を調査地区とした。本市は都心から約25km西に位置する近郊都市であり,市の中央部を東西に走る国電中央線で都心とは約40分程度で結ばれる。東西南北4km四方で,公園や学園などの緑地帯が多く,公営・公団住宅なども建設され,東京のベッド-タウンとして発展している。昭和51年1月1日現在の総人口は99,106人で,昭和45年の国勢調査では,専門的,技術的職業従事者や管理的職業従事者,事務従事者などが他地域よりも高率であり,職業別就業人口の52.3%を占めている。市内には公立の医療施設はないが,民間病院が4施設と,隣接地には都立府中病院,武蔵野赤十字病院,公立昭和病院がある(図1)。
最近武蔵野4市(保谷,田無,武蔵野,小金井)が出資し,保谷市に建設された特別養護老人ホーム緑寿園内のケア-センターでは,入浴サービス,ショート-ステイ-ホーム,デイ-ケアなどの地域ケアを手がけている。また,友愛訪問や給食サービスなどの市の福祉事業のボランティア活動や,市民団体を中心とした住民運動も活発である。なお,昭和51年1月1日現在の65歳以上の老人人口は5,263人で総人口の5.3%であり,同年の東京都の老人人口比6.5%より少ない傾向にある。昭和50年の脳卒中死亡率(10万対)は68.6,心疾患死亡率は56.5である。
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