Medical Scope
これからの妊婦への生活指導を考える
島田 信宏
1
1北里大学病院産科
pp.981
発行日 1990年11月25日
Published Date 1990/11/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611900213
- 有料閲覧
- 文献概要
助産婦諸君のみならず,ドクターにとっても,妊婦への生活指導は大変重要なものであり,妊婦診察のほとんどの時間がそれに費やされるといえるでしょう。この妊婦への生活指導は,時代の流れにそって大きく変わってきています。また,変わるのが当然で,変わらなくてはいけないのです。たとえば,妊婦は車を運転してはいけません,などという生活指導は,現代生活では通用しなくなっています。その時代,世代,環境にあった妊婦への生活指導をどのように作っていけばよいのか,最近の傾向を含めて考えてみたいと思います。
そこで,一番先に頭に浮かぶのは「個別化,多様化」ということです。私たち個人個人の生活様式は非常に多様化しました。住んでいる家にしても,一軒家,マンション,アパートなどいろいろあります。妊婦は階段の昇り降りに注意しましょうといったら,3階に住んでいる妊婦は買物にも行かなくなって肥満妊婦になってしまったという話もあります。
Copyright © 1990, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.