連載 くすり箱の掃除学【新連載】
危険な整腸剤〔1〕
高橋 晄正
1
1東大物療内科
pp.94-95
発行日 1977年2月10日
Published Date 1977/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662205806
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わが国には,食べすぎ,飲みすぎ,寝冷えなどの単純な胃腸障害にも殺菌剤を投与する悪い習慣がある。百数十品目もの整腸剤にキノフォルムが添加されていたことをみても,それは理解できるところであろう。殺菌剤を含む整腸剤を常用していると,耐性菌を作ったり,菌交替症(かび・酵母などが生えてくる)になったりするほか,腸壁や内臓の細胞の核酸代謝に影響を与えてガンや先天異常を作る可能性があるので,細菌性下痢のとき短期間服用する以外は利用すべきではない。そのほかキャベジンのように誤って開発されたもので,必ずしも安全といえないものもある。
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