特集 母子保健活動の実態
活動報告
地区婦人組織を対象とした乳がんの集団検診について
中牟田 梅子
1
1大阪市東成保健所
pp.806-808
発行日 1976年12月10日
Published Date 1976/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662205784
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はじめに
東成区ではがんで死亡するものが昭和48年の総死亡の18.4%を占め,死亡率は人口10万対121.1,死亡順位が脳卒中についで第2位であり,働き盛りの35〜64歳での死因が第1となって,保健衛生上重要な問題となっている。全がんでは胃がんが多いのが日本の特徴であるが,女性では子宮がんが胃がんについで多く,乳房などのがんについてはここ数年間漸増傾向を示してきている。がん対策として国の施策も種々実施されてきているが,これが本人の自覚のないうちに進行する場合が多いことから,定期的に個人で進んで検診をうけるか,地域又は職域などの集団検診をうけるなどの方法で現在検診が行われており,個人の場合,現在の医療体制では診療の受け入れで追われている病院での検診は困難であり,集団検診などによるものが望ましいのではないかと思われる。それには検診の受入態勢が整わねばならず,もちろん受診後の疑わしい場合の精密検診と要治療者に対する適切な治療が必要であり,検診後の追跡と管理指導がなされねばならない。今回,大阪市東成保健所が地区の組織である東成母子会の要請により,城北市民病院の協力を得て2年間実施した乳がんの集団検診の結果について報告する。
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