特集 母性保健指導のポイント
妊産婦保健指導に思う
三品 照子
1
1神奈川県立公衆衛生看護学院
pp.42-45
発行日 1963年5月10日
Published Date 1963/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1662202835
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学生への講義ノートから……
保健婦としていかに母性を理解し,母性保護のために何をすべきか,母性保健指導のあるべき姿を学生とともに考え話し合い,講義のはじめに狭義の対象である妊産婦を学生たちがどのように把握しているか質問しますと,病院の外来で大きなお腹をした妊婦さんが,待合室の椅子に大儀そうに坐って順番をまっている妊婦や,産科病棟で実習の対象となった妊産婦の印象が強く,妊娠しているという生物学的な現象しかとらえていませんので,家庭をはなれて病院や保健所に現われた妊産婦でなく,女性として社会人であるとともに,一家の主婦であり妻であり,ある場合には嫁であるという複雑な要素を持っている妊産婦,いきいきと生活している妊産婦であることをまず理解させます.つぎに,公衆衛生における母性保健指導の位置づけや,役割について,少ない時間を有効に使うため,このクラスにおいて学ぶべき課題は何かと,バズセッションにより,課題を提出させ,そのため課題の整理を行ない,全員をグループ研究に参加させ,自由時間や放課後にそれぞれ研究を行ない定められた時間に発表をし,質疑応答を行ないながら,クラスを進めて行きます.
研究課題はその年により異なりますが,片寄りのないよう教務側で指導助言をします.
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